
こんばんはZisです。自分は2018年から金融機関で勤務しており、2018年の後半からは暗号資産を専門に扱っている専門家です。
そんな自分が2021年に執筆した記事が今回の記事です。
今回の記事では何故長期的にBitCoinしか存続しないのか、客観的に科学的に分析しています。
BTCやETHが本質的に存続できない理由とBSVがオリジナルなBitcoinとして数百年に渡り世界のインフラとして機能していくであろうビジョンと理由を解説しています。
少々専門的な内容で分かりづらい方もいると思いますが、興味がある人や既に暗号資産に投資していたり、興味のある方はご一読してもらえればと思います。
目次
BitCoin(original) mining

BitCoin Mining(Proof of work)について、マイナーは相互に接続し、フルノード(今までにブロックチェーンに記録されたすべてのデータ)を持っています。
マイナーにはある計算問題が出されます。その問題を世界中のマイナーが競って計算問題を解こうとします。
そしてスピード及びその解を見つけたことを伝播するスピードを競います。
解を見つけたマイナーは報酬としてBitcoinが支払われます。
その為マイナーは膨大な電力及びインフラへの投資を使用し競い、他のマイナーへ解を知らせる時間の速さを向上させるためにインフラにも投資します。
ネットワークに投資し続けるので、スケーリングが可能になる。
この投資インセンティブによって、Bitcoinネットワークはより多くのTxやデータ量を裁けるように、より早く情報を伝達するように、常にネットワークが成長するように設計されています。
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)という競争があるからこそネットワークは成長します。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)では多くの暗号資産を預託した人に報酬が支払われるため、スケーリングのインセンティブが働きません。
これがPoSのアルトコインが長期的には機能せず、PoWこそが真にスケーリング可能ということのインセンティブ的一因です。
BitCoin(Original) mining 赤の女王理論

BitCoinのマイニングシステムは赤の女王理論やゲーム理論に基づいて作成されたといわれています。
■赤の女王理論
・生物の種は絶えず進化していなければ絶滅するという仮説。
■BitCoin Originalのマイニングモデル
BitCoinのマイニングモデルは常にネットワークに投資し、機器の買い替えや、インフラに投資する必要があります。
BitCoin Network(BitcoinSV)では既得権益がなくMining Networkで勝ち続ける為には、常にネットワークの向上のため投資し競争しなければならない。
このためBitCoinでは権力を持つものはその地位を維持するために常に競争しなければならない。
このことによってBitcoin SVネットワークの健全性は常に正常に保たれる。
これがBitCoinのサスティビリティとアルトコインにサスティナビリティがないことの一因です。
BitCoin(Original) mining 生物学
BitCoin Miningのモデルは赤の女王理論によって常に進化し、常に生き残れるように生物学にインスパイアされております。
既得権益がなく、新規参入者も古くからの参加者もまったく同様の投資をし続けなければ勝ち続けることはできません。(POS系のコインは既得権益の生成、カルテルを組む等がPOWに比べ容易であると考えられます。カルテルが組まれるとネットワークの健全性を阻害します。)
ここでのBitCoinとはBitCoin original protocolの話であり、ブロック上限を1MBに制限し、segwit、lightning NetworkといったオフチェーンのNetworkの核であるマイナーから力を奪い、Miningシステムを破壊する仕様にしたブロックストリームによって2017年に作られたBTCのことではありません。
(皆さんがBitCoinと呼ぶほとんどの場合BTCがBitcoinです。OriginalのBitCoinはBitcoin SVです。)
OriginalのBitCoinとはSatoshi NakamotoのWhitepaperに基づく、BitcoinSVの事を指します。BTCのようにオフチェーンでスケーリングをする通貨における、赤の女王理論のインセンティブは弱く、健全な競争が阻害されます。
またBTCのようにブロックサイズが1MBに取引を制限した場合、Txを処理する機器の性能を高める必要は低くなります。(1MBしかTxを裁く能力が必要ない為)
※Tx=Transactionの略、送金等でブロックチェーンに情報を書き込む取引のこと
SVはオンチェーンでスケーリングを目指し、2020年2月4日に行われたGenesisアップグレードによって、ブロック上限は撤廃され事実上無限のスケーリングが可能になりました。
POS(Proof of Stake)系の承認アルゴリズムに関しまして
EX)POS、DPOS、LPOS
BitCoinのPow miningのようなコンセンサスアルゴリズムとして、POS、DPOS、LPOSといったものがあります。
これらのネットワークはコインの保有量や保有数またはコインホルダーの投票数によって、報酬を得る為、Networkの機能向上に関して、BitCoinのマイニングのようなネットワークワーク向上させるインセンティブが少ないです。
つまりスケーリングできません。
ETHも数年前からスケーリング問題に取り組んでいますが、現状失敗しています。現時点でスケーリングに成功しているチェーンはBitCoin SVのみです。
DPOSの仕組み

何故スケーリングが暗号資産において最重要マターなのか

①通常マイナーはブロックを承認するとブロック報酬12.5BTCの報酬が貰えます(2020年1月時点)
しかしマイナーが貰える報酬は実はこれだけではありません。
マイナーはブロックの承認報酬とは別に、ブロックには入っているTX一つ一つから手数料を徴収しています。
Ex)上記の画像の矢印①のブロック承認を行うと、ブロックには1000Txはいっており手数料が1Txあたり100円(あえて円表記)だとします。
すると1000×100=10万円のお金がマイナーに入ります。
上記の画像の矢印②の承認を行うと
1000000×100=1億円のお金がマイナーに入ります。
つまりマイナーは①だと12.5BTC+10万円、
②だと12.5BTC+1億の報酬を得ることになります。(1MBはBTCのブロック上限です)
つまりよくスケーリングされたブロックを採掘することが、ブロック承認手数料より多くの収益を得ることができることを示唆しています。
これはBTCのマイナーが将来Bitcoin SVに変遷していくことを示唆しております。
何故BTCのモデルがサスティナブルでないのか

先程説明したように、チェーンがスケーリングすればするほどマイナーの収入、インセンティブは増加します。
もしマイナーだとしたら収益が大きいチェーンを選んでマイニングを行うはずです。同じPOWの作業証明をしているにも関わらず、報酬が低ければマイナーは他のチェーンを掘るはずです。
(BTC.BCH.BSVは同じSHA-256暗号方式の為同じ機器ですぐにマイニング先を切り替えられます。)
計算難易度が変われば少し話は変わりますが、マイナーがマイニング先を切り替えればハッシュレートが増えます、ハッシュレートの増価は電気消費量の増大を示し、電気消費量の増加はチェーンのセキュリティを向上させます。
つまりスケーリングしたチェーンはマイナーの増価、セキュリティの増価、低コストでのTxの処理(低い送金手数料)を獲得し、チェーンの価値は増大し続けます。
つまりチェーンがスケーリングすればするほど、安い送金手数料と高いセキュリティを得られます。
BTCはブロックストリームが人工的にスケーリングを抑え、BTCは1MBまでしかスケーリングできません。
ナカモトコンセンサスは1つのチェーンに収束させるため、BTCはこのままムーアの法則にしたがい年々スケーリングされていくBSVと併存する場合、先程説明したようなマイナーの報酬の関係でBTCは将来マイニングで負ける可能性があります。
(マイナーはBitCoinの心臓部であり、POWにおけるマイナーの弱体化はBitCoinのネットワーク自体の弱低下になります。)
スケーリングはユーザーにとっても重要事項

Memory poolに集められたTxはマイナーが検証しブロックの中に取り込みますが、Tx feeが高いTxから優先してブロックに取り組んでいきます。1MBの場合Tx情報を1MBしかブロックに取り込めない為需給の関係でTx feeが高騰します。
BTCの送金手数料は現在だいたい平均1000円くらいだが、BitcoinSVは0.1~1円位で非常に低く抑えられています。
ユーザーは低い料金で送金が可能です。
BTCとBSVの差は今後も拡大していくと考えられます。またPOS系通貨はカルテル等の危険性があり、カルテル体制になると好き勝手に独占状態となりTx feeを高騰させたり、51%攻撃が可能になります。
だからこそ安定的で持続可能な為にはPOWでスケーリングされたチェーンが必要になると考えられます。
http://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2020/data/ron200117a.pdf
スケーリングに関しては日銀も論文を出すくらい重要な項目です。
BTC側のスケーリング法 主張
BTCはスケーリングはオフチェーンの、Lightning NetworkとSegwitで行うと主張しています。
しかしLightning Networkの開発者は安全ではないからlightning Networkを使わないように今や呼びかけています。
Segwit(署名を別の場所に保管し、ブロックに多くの情報を取りこもうという試み)署名を別に保管するため、セキュリティ上の脆弱性が指摘されています。
かりに上記のようなオフチェーンの方法でスケーリングしたとしても、Txをブロックチェーン以外で処理するわけですから、先程説明したマイナーがTxから処理する手数料は減ってしまいます。
上記のようなBTCのようなオフチェーンでのスケーリング主張はマイナーの力を奪います。
マイナーの報酬が減れば、マイナーが他のチェーンを掘ります、他のチェーンを掘ると、ハッシュレートが下がりセキュリティが下がります。
セキュリティが下がれば51%攻撃の増大や最終的にはマイナーがいなくなりチェーンは消滅する恐れがあります。
※Lightning Networkやsegwitでスケーリングできないという明確なエビデンス等はございません。
しかしLightningやSegwitでスケーリングしたところで、オフチェーンのスケーリングになる為、サスティナブルなモデルではないことが容易に想像できます。
SEGWIT

BTCが直面するもう一つの脅威
BTCはスケーリング問題で申告な問題に直面していますが、もう一つ大きな問題は半減期です。半減期とは何か、BTC,BCH,BSVはブロック承認報酬が4年に一度半分になります、それが大体昨年のの5月頃に訪れました。
(次は2024)そうなった場合今まで12.5BTCだった報酬が、6.25に変わります。このことで何がおこるでしょうか?
マイナーの報酬の半減期前は ブロック承認報酬12.5BTC+Tx手数料です。
半減期後のマイナーの報酬は ブロック承認報酬6.25BTC+Tx手数料
つまり今よりさらにTx手数料の比率が増えるわけで、そしてこれが四年に一度おとずれます。十分にスケーリングされたチェーンであれば、半減期はむしろ流通枚数の低下なので価格上昇要因です。
しかしBTCのようにスケーリングを制限したチェーンが今の報酬を維持しようとすると、価格が二倍になるか死ぬの二択になります。
もし、死ななくても価格が二倍にならなければ、採算性からマイナーは他のチェーンに移動しBTCは使い物にならなくなります。
四年に一度死ぬか生きるかの選択を迫られるBTCチェーンのサスティナビリティには疑問が残ります。
皆さんがBitCoin Originalに対して抱く誤解①
ほとんどの人はBitCoinはスマートコントラクトが使用できないと考えていますができます。
何故できなくなったか?今BTCのコードをコントロールしている人々がスマートコントラクトが可能なcodeを撤去しました。

こちらは tokenized.com のサイトのスクリーンショットであり、BitCoin(BSV)の上に完全に法に準拠した形で株式、クーポン、不動産トークン、etcおそらく今金融市場で誕生しているほとんどすべてのアセットクラスをBitCoinの上で発行できるように試みています。(もうすでに完成しています。)
政府が発行するCBDCももちろん。BitCoin protocolの上に発行可能です。
皆さんがBitCoin Originalに対して抱く誤解②
BitCoinは承認時間が長く、送金には1時間かかる。
これはXRPをはじめアルトコイン指示の方がよく抱く誤謬です。なぜこのような誤謬が広まったのか?
それは取引所が採用している6confirmation規格のせいです。6ブロック進めば、51%攻撃や分岐でそのブロック承認が覆されることはないよね?安全ですよね?といった取引所どうしの暗黙の了解のようなものです。

取引所はブロックに入ってからさらに5ブロックブロックが進んでからしか、入金したと認めないような規格です。
真のBitCoinの送金速度
BitCoin(SV)の本当の使用用途は、取引所ではありません。
ユーザーからユーザーへのP2Pでの支払い、ユーザーから商人へのP2Pでの支払い、圧倒的なスケーリングによって世界の10億人単位の人が一斉に使用してもまったくつまらない、Peer to peer electronical cash systemです。
携帯アプリケーションでCentbeeやHandcashをダウンロードしてみてください。(android,ios共に可)BitCoin(SV)のウォレット間の送金は数秒で相手のウォレットに到着します。
何故早いか?BSVはBTCと違いRBFという(Replace by fee)という仕様が無い為、0confでの送金が可能です。0confとは前ページで説明した6confirmの0版で、memory poolにtxが入った瞬間に送金を完了させます。

Whitepaperの誤謬
先程説明したようにpeer to peer electronical cash systemと、Bitcoinのwhite paperには書かれております。ここで注意して頂きたいのはcashではないのです。Cash systemと書かれています。
大きな誤謬はBitCoinは純粋な通貨ではありません。通貨システムであり情報コモディティです。
ではどういった通貨システムか?
CBDC(政府発行通貨)、stablecoin(金融機関等発行通貨)等の通貨としての性質を有したものが、BitCoin protocolの上で発行されたとき、BitCoinは通貨になります。
または株式、不動産、実物資のようなコモディティ資産に裏付けられた際も、コモディティマネーとして機能すると思われます。
BitCoinそのものではボラティリティが高いこと、また発行上限が決められていることによって、金融緩和や不況時のコントロールや柔軟な経済政策がとれません。
BitCoinはそれ単体では通貨になれません。BitCoinは石油、金、ガスといったコモディティ資産の一種です。BitCoinとは情報を商品化した情報コモディティであり、第四次産業革命の技術的基盤です。
本来通貨とはコモデティでした1970年代に金ドル本位制が崩れ不兌換貨幣が登場しました。歴史上裏付けを持たない不兌換貨幣の価値は常に0になってきました。不兌換貨幣になってから世界最強のドルですらその価値は98%希釈されています。
マネーとは?
マネーとは常にコモディティでした。Goldは3000年にもわたって人々の貨幣として機能してきました。19世紀の兌換貨幣も裏付けとしてGoldを持ち、コモデティマネーでした。
本質的にマネーは裏付けを持つか、死ぬかしかありません。
1970年代ニクソンショックによって、世界は金ドル本位制は崩壊しました。いま私たちが使用している貨幣はたった五十年前に始まった制度です。
その間ドルの価値は98%希釈しました。(中央銀行は準備資産を保持しているにもかかわらずです。)
そして資産の裏付けを持たない不兌換貨幣は歴史上常に最終的にその価値が0になりました。なぜならそれは裏付けとしての労働、proof of workがなかったからです。
印刷機からプリントするだけで富を自由に創出することができました。何もせずに作り出された貨幣に長期的な保存価値は難しいです。
この点を見てもPOS系の通貨に対して長期的な価値があるのかは疑問が残ります。価値があるコモディティの裏付けには常に労働価値や労働努力やproof of workがあります。
(金、ガス、鉄、石油etc)歴史上無料で努力なしに作りだせるものはMoneyにはなり得ませんでした。
BitCoinは3000年間続いた金のマネーとしての優位性を超える可能性を持ったアセットクラスになりつつあります。
皆さんがBitCoinに対して抱く誤解③
BitCoinは送金だけの要素しかないという誤解。
BitCoin(SV)は単一の台帳であり、送金情報以外の全てのデータを保存できます(BTCは1MBなので、ほぼお金としての役割しかできません。厳密に言えばお金としての役割さえできません。)
スマートコントラクトもできます。(tokenized.com等で進行中です)ETHのように法律に準拠しない形ではなく、完全に法に準拠した形での提供を試みています。
BitCoinで描きうるビジョン
・世界の単一台帳としてBitCoinが採用された場合、世界の商取引の障壁は極限にまで下げられ、VisaやMastercardのような決済業者は資本主義の観点からベースシステムとしてBitCoinを使用するようになると思われます。
・世界が単一の台帳で会計処理されることになるとエンロン事件のような二重帳簿の問題が改善されます。
・BitCoinが完全にスケーリングされた場合、巨大なデータがBitCoinネットワークに保存され、AWS等のCloudサービスはセキュリティ、価格競争の面から敗北し、全ての情報はBitCoinにCloud保管されるようになる可能性があります。(赤の女王理論によって、価格は安くなり続け、保存できる容量はムーアの法則にそって大きくなり続けると考えられます。)
・世界の何十億ものIotデバイスがBitCoinに接続され、巨大なデータを持つBitCoinはビックデータやAIも兼ねることになるかもしれません。
・世界10億人程度の人々がBitCoinのシステムを使用します。
しかし人々はBitCoinを使用していることすら分からないレベルのベースシステムとし働きます。BitCoinは第四次産業革命の中核技術になると予想されます。
第四次産業革命概要

参考文献
BitCoinにまつわる多くの真実の話が書かれています。
https://medium.com/@EquityDiamonds/why-many-smart-coders-dont-get-bitcoin-6c87239253d1
何故BitCoinは貨幣として機能できるのか、またmoneyとは何か、何故Goldは3000年も地位を維持できたか
BitCoinに関して考察しているアカウント
https://medium.com/@_unwriter/the-wealth-of-the-nation-of-bitcoin-6337a56e6595
アダムスミスからみたBitCoin
https://medium.com/@_unwriter/the-resolution-of-the-bitcoin-cash-experiment-52b86d8cd187
BCHがダメになった理由
※この記事は2021年にzisによって書かれた記事のため、2023年の現在と内容が合わない箇所もございます。